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名刹『千光寺』は806年の開基で、中興は多田満仲公宿願により造立したと伝えられ、興趣千変万化、奇岩、奇勝など四季を通じて自然の神秘を探賞できます。

本 堂
(ほんどう)
貞享3年(1686年) 

貞享3年に建てられたこの地方には珍しい舞台造りの本堂
俗に赤堂と呼ばれる千光寺本堂の本尊千手観世音菩薩は、33年に一度開帳の秘仏です。俗に火伏せの観音とも称されています。 観音冥応集によりますと、『元禄十七年二月八日、隣接の栗原村国長の善右衛門という者の長屋から出火した火勢さかんとなり本宅に燃え移らんとした際、一心専念に千光寺観音に祈誓をこめ、この火難を救い給われば、一夜お籠りして念誦申し上げることを誓ったところ、たちまち不思議に風向き転じて猛火は和らぎ災厄をのがれたので、霊験のありがたさに、急ぎ観音に詣うでて礼謝した』と伝えられ、爾来火伏せの観音として巷間ひろく信仰されています。

現在では試験合格、縁結び、子授け、交通安全、家内安全、夫婦円満、病気平癒、延命長寿等諸願成就の観音様としてお詣りが絶えません。須弥壇は和様に唐様を加味した室町時代の作で、わが国で4番目に発見された形式であります。 また、本堂の扁額『大宝山や玉の浦わのたぐひなみ よるよる月の影をしぞ思う』の和歌は西行法師が諸国遍歴の途次参詣して歌ったものであります。

住職による略記

近年の研究により、千光寺本堂と向島岩屋山の巨岩が、冬至の日の朝に一直線になるように建立されたことが分かりました。尾道三山(千光寺山、西國寺山、浄土寺山)のお寺である西國寺と浄土寺も同じように岩屋山に向けて建立されています。

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