
玉の岩または烏帽子岩と呼ばれ、周り五十米、高さ十五米あり、当山第三の巨岩で、これには次のような伝説があります。
『往古この岩上に如意宝珠あり、夜ごとに異光遥かに海上を照らす、しかるに異国人来たりてこの山に登り、寺僧に向かって、我に金あり、汝これを与えるにより、この大石を我に与えよと、寺僧それに答え、売ることはできぬがこの大石を買いて何にするかとあやしむに、異国人は、この僧が岩上に宝石のあるを知らぬことを確かめ、心中欣び、ひそかにこの大石に登り美玉を奪い去りたり』と。
今でもこの大岩の頂に直径十四センチ、深さ十七センチの穴がありますが、この穴が光を放つ宝玉があった跡だといわれています。
この山を大宝山といい、寺を千光寺、港を玉の浦と言い古されたのも、そのゆかりはこの伝説にもとづくものであります。
現在は岩の頂に宝玉の代わりに玉が置かれ、夜になると三色に輝きます。
【 中国観音霊場第十番札所 千光寺 】
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